2011/5/14平均律とクレヨンハウス(クレヨンハウス編)
続き
心とおなかがたっぷりと満たされた後、
『クレヨンハウス』へ向かいました。
この日は連続講座 子どもの本の学校 21期の第一回目が行われたのです。
講師は作家の 今江祥智さんで、“子どもの本の海で-50年”というテーマでした。
実際には作家生活は50年以上だそうで
1957年に初めての童話を書いたのだそうです。
実はこの時、現在の福音館書店の相談役である松居直さんに借金を
頼みに行き、童話を書くのを条件に貸してもらったそうです。
もし、この時松居さんに借金を頼みに行っていなかったら
普通の小説を書いて、今頃は消えていただろう、 と
おっしゃっていました。
松居さんのことを、文句を言いながらも
“子どもの本を変えた男”とおっしゃるあたり
本当は仲が良くて 良い関係なのだろうなと思いました。
今江さんは“子どもの本の学校”の1期から講師をなさっているそうで
「なんにも話すことがないから質問をうけます」
と、質問形式の講座になりました。
でも、質問したことがどこかにいってしまったり、
横にそれたりして おもわず吹き出してしまうことも・・・
その中で私の中に残った質問と答えは
質問「すてきな三にんぐみという邦題はどうしてつけたのか?」(原題を直訳すると“三人の どろぼう”)
→答え「読んだら この三人がステキだったから。しゃあしゃあとどろぼうを主人公にするとは、アンゲラーという人はすごい人。日本ではありえない。これはいい意味での夢物語である」
質問「四角いクラゲの子、ひげのないひょうなど、どういう視点で書いているのか?」
→答え「1クラス55名の生徒を受け持っていた6年間の教員時代に生徒をみながら
リアリズムで書いた。ファンタジーが下手だから。いぬいとみこさんやさとうさとるさんのファンタジーを読んだら書けん」
質問「最近“これは!”という作品は?」
→答え「これは本、くうき、皿と紙ひこうき。」
「本との出会いは人による。10冊買ってその中にこれは!!という1冊があればとてもラッキー」
「本との相性は人それぞれで 自分で決める」
「ベストセラーは信用しないが ロングセラーは信用できる」
などなど・・・ほかにも心に残ったものはあったのですが、
ここには書けないことも・・・
そしてご一緒していた@greenkakoさんが
「ぼちぼちいこかを読んでください」 とリクエストし、実際に読んでいただきました。
なんとこの本にあっているのでしょう!大感激でした。
翻訳をしていて楽しかったと以前お話ししていましたが、納得!の読み方でした。
私の今江さんの印象は失礼ながら“チャーミングなおじいちゃま”です。
しあわせな気分が増したひと時でした
ちょうちょむすび (ひげのないひょう)
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コメント
私もとても感動しました。

訳者の方に読んでいただけるとは なんて贅沢なのでしょう
おじいちゃまになられると、思い出話が多くなるのかしら…
それだけ楽しくて充実していた時間というか期間なのでしょうね。
また来年もお話が聞きたいです
投稿: cumako | 2011年6月15日 (水) 23時46分
「すてきな三にんぐみ」を読んでもらえて感動しました。
昨年も聞いけど、確実に年齢を重ねられたなぁという印象があります。3期だったか4期くらいから参加しているので、何回も今江さんのお話を聞いているのですが、10年くらい前と今でもおじいちゃまになられたなぁ~と。
確実に松居さんとの思い出話が増えてきました^^
お二人の出会いがなかったら、名作絵本のいくつかはこの世に誕生してなかったのですね~
投稿: みどり(kako) | 2011年6月14日 (火) 14時28分